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工作の伝道師 久保田雅人さん  見方を変えて作品や資源に

世の中にはたくさんのワケありな人がいます。そんなワケありな人の素敵なワケを紹介していくコーナー「ワケありな人」。一体どんなワケがあるのでしょうか。

初回は久保田雅人さんです!

 

久保田雅人さんがわくわくさんになったワケ

NHK教育TVでおなじみ「わくわくさん」こと久保田雅人さん。きっとこの番組を見ていた人も多いのではないでしょうか。実は私、この番組とわくわくさんの大ファンで「将来の夢はわくわくさんになること!」と言っていたほど大好きでした!最終回は15分版と5分版どちらも録画をして今でも残してあります。

きっと久保田さんは学生時代からモノ作りが好きで工作もたくさん作っていただろうと思っていました。しかし、実はそうではないそうです。久保田さんは大学生の頃は日本史の先生になろうとしていました。サークルも歴史研究会で、日本史の勉強しかしていませんでした。しかし大学四年生のある日、たまたま立ち読みした雑誌に最初に所属した劇団の第一期生募集のページあり、応募して合格してしまったのです!よく子供の頃に「本屋さんで立ち読みはしちゃいけないよ!」なんて言われたりしますが、立ち読みで人生が変わる人もいるのですね。しかも大学四年生!同じ大学生目線で考えると本当にすごい決断をしたんだと思います!

 

劇団にはワンピースのルフィ役などでおなじみの田中真弓さんもいました。ある日、工作を披露するわくわくさんという役を探していると聞き、劇団の大道具の仕事などで手先が器用だった久保田さんが紹介されました。その後、工作番組を23年間務めました。

 

実はわくわくさんには20代後半という設定があるとのこと。そして、久保田さんはもうすぐで20代後半一筋30年です!わくわくさん好きのわたしですが、そんな設定があるなんて知りませんでした。今でもわくわくさんとしてイベントなどを行っています。

 

番組内で作られていた作品は造形作家ヒダオサム先生によるものです。それらを応用し、今ではレパートリーは分からないくらいたくさんあるそうです。

▲トイレットペーパーの芯とストローで的当て

 

▲トイレットペーパーの芯、箱ティッシュの空き箱でモグラたたき

モノってゴミ?資源?

久保田さんは「人間の見る目を変えればゴミが資源になるから見る目を持ちましょう」とおっしゃっていました。「モノが『まだ自分たちは働けるよ!頑張れるよ!』って言っているから使ってあげよう、働かせてあげよう」という気持ちで作品を作っているそうです。「モノがそう言っていることに気づけるような耳を持った人間が増えてほしい」と。

 

ちなみにわくわくさんの道具入れは牛乳パックを利用したものでした。実際にモノを使い切っている様子が見られて感激です!わたしもお菓子の筒型の箱をペン立てにしているのでなんだか嬉しい気持ちになりました。

▲実際に久保田さんが使用している牛乳パックの道具入れ

 

インタビューの際に作っていただいた工作も一つの牛乳パックを全て使いきり、余った部分は出ませんでした。これはゴミを出さないだけではなくモノを使いきるということにも繋がります。この牛乳パックちゃんも全ての部位で働けて幸せだ、と言っているような気がします。作品の多くは捨ててしまいがちなものを利用したものなので、エコを意識されていると思っていました。しかし、端からエコを意識しているワケではなく、ものの見方を変えて使い切ることが結果的にエコになっているようです。

▲飲料パックでボールキャッチ

 

“もったいない”って何?

“もったいない”という言葉、みなさんは使っていますか?わたしはモノが余っている時や電気のつけっぱなしを見た時によく使います。しかし、久保田さんはこの「もったいない」という言葉についてこんな意見をもっていました。

 

「“もったいない”という言葉は、モノを何度も修理して使ったり、着物を最後に鍋敷きにして使ったりするような生活をしてきた昔の人が使うから意味がある。言葉に重みがある。」

 

こんなこと今まで考えたことはありませんでした。わたしはむしろ、そんな暮らしをしてこなかった若者でもどんどん使うことによってモノを使い切るという意識が次の世代にも受け継がれていくものだという考えです。でも、確かに友達に言われるよりも人生経験が長い方に言われたほうが説得力がありそうですね。

 

親や学生世代に伝えたい事

工作をする上で久保田さんは、何センチ・何ミリを決めないようにしているそうです。「工作に上手下手はなく、曲がって切ってもデコボコでも大丈夫で、大まかなほうが頭の発想も良くなる」という考えでした。今思えば、確かに私の幼少期の工作はあまり定規を使っていなかったような気がします。

 

久保田さんは、「世の中に出てからどれだけ多くの天才と知り合えるかが重要で、一人でも多くの天才と知り合うことによって自分の人生が豊かになる。だから、いろんなところに行って、いろんな人に出会うことが大切!」ということを教えてくださいました。

 

世の中には一見ゴミに見えてしまうかもしれないモノを素敵な作品や遊び道具に変えてしまう天才がいます。みなさんも作品や資源に変えてみませんか。そしたらきっと自分の生活が豊かになるだけではなく、モノたちも喜んでくれるのではないでしょうか。みなさんもわくわくしながらワケワケしましょう!

吉川 采花

author 吉川 采花

好奇心とチャレンジ精神が旺盛。趣味は地図帳とストリートビューを眺めて海外に行った気分になること。1960年代~90年代が好きすぎて周りに歳を疑われる系女子。